神経を安定させる漢方薬

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健康保険も適用される

躁うつ病や認知症に効果があるとして注目されている漢方薬が抑肝散です。鎮静作用のある7種類の生薬が配合されています。肝を抑える薬と書きますが、漢方で言う「肝」は肝臓のことではなく、全体的な神経系統を意味します。もともと小児の引きつけや疳の虫を抑えるための薬で、高ぶった神経を鎮め筋肉の緊張や痙攣を和らげる作用があります。そのため現在では大人の不眠症や神経症、パーキンソン病の治療などにも利用されています。認知症に効くメカニズムはよくわかっていませんが、興奮や暴言や徘徊などが改善したという研究結果が出ています。西洋医学の薬は効き目がハッキリしている代わりに、副作用や依存性が現れる可能性もあります。漢方薬は効き目が穏やかで、徐々に症状を改善していくのが特徴です。とはいえ副作用が全くないわけではないので、医師の指導に従って慎重に服用することをお勧めします。抑肝散は基本的に体力があまりなく、のぼせたり興奮したりしやすい方に向いている漢方薬です。漢方薬が十分な効果を発揮するには、体質に合っているかどうかが重要です。もし効き目が実感できないときは、体質に合っていないことが考えられるので、専門家に相談してみるとよいでしょう。漢方薬は民間薬の一種と考えている方がいるかもしれませんが、抑肝散はかなり明確な効き目があり、保険が適用される処方薬にも指定されています。その一方で、抑肝散を成分とするサプリメントは、通販や健康食品販売店の店頭などでも簡単に購入することができます。健康食品として購入するなら特別な準備や資格は必要ありません。処方薬とサプリメントの違いは、主に有効成分の含有量です。サプリメントにも一定の効果は期待できますが、含有量が少ないと気休め程度にしかならない場合があります。本格的な治療に取り組むなら、精神科や心療内科の医師に処方を受けることをお勧めします。健康保険を利用すれば薬代を抑えることもできるでしょう。もちろん効き目が強いだけに副作用の可能性もあるため、定期的に診察を受けて体調を把握すること、そして用法や用量をしっかりと守ることが大切です。もともと抑肝散は煎じ薬ですが、それでは使いにくいので通常は粉末状になっています。粉が喉につまったり、苦くて飲みにくかったりすることがあるので、服用方法については事前に確かめておきましょう。また多くの漢方薬は原則として空腹時に服用するため、飲み忘れを防ぐように工夫する必要があります。